ものまねの大御所、コロッケが2022年10月25日、『ものまねグランプリ』(日本テレビ系)を引退しました。番組に30年近く出演していただけに、多くのファンが惜しむ声を上げました。中には、彼が芸能界を実質的に引退するのではないかと心配する声もありました。
コロッケはこの引退をどう受け止めているのでしょうか? そして、ものまねの世界で42年もの間トップを走り続けてきた彼の視点から、現在のものまね界はどのように見えているのでしょうか?
テレビ引退?の真相
「別にテレビに出なくなるわけじゃないですよ(笑)」
コロッケは、引退の噂を明確に否定しています。むしろ、彼の卒業が後進の芸人たちに新たなチャンスをもたらすと、前向きに捉えています。
ものまねのトレンドの激変
コロッケは、1980年にデビューして以来、常にものまねの世界をリードしてきました。しかし、最近、ものまねのトレンドが大きく変わってきたことに気付いています。
以前は、個性的な芸風を持つ顔まねや声まね、そして動きなど、様々なものまね芸人が競い合っていました。コロッケ自身も、清水アキラさんとの「ふざけまくる」スタイルで人気を博しました。
しかし、1990年代後半から歌のものまねが増え、2000年代に入ると、完璧なコピー技術が重視される傾向が強まりました。
このような状況に対し、コロッケは疑問を投げかけています。
「こんな時代なんでしょうが、変革を求める若手がいないですね。自分が快適であればそれでいいと思う人が多いのでしょう」
若手への期待と愛あるアドバイス
もちろん、コロッケは若手芸人を否定しているわけではありません。彼は、ドリフターズ全員のものまねをするレッツゴーよしまさくんや、松本人志さんのものまねで人気のJPくんなど、新しいアプローチを試みる芸人たちを高く評価しています。一方で、「本人が言いそうなことだけでなく、予想外のネタを作れば、一気にトップになれるだろう」と、彼らの更なる成長を期待しています。
コロッケは、自身のものまねには常に「本人がツッコむ材料」を取り入れていると述べています。「私の芸は基本的には無礼なんですよね。五木(ひろし)さんがロボットになる必要はないし、森進一さんが途中からティラノサウルスになる必要もない(笑)」と彼は言います。
このような「コロッケ流」のものまね論は、若手芸人にとって大きな示唆となるでしょう。
次世代への情熱
コロッケは、ものまねの世界だけでなく、後進の育成にも注力しています。彼は来年の春にエンターテインメントアカデミーを開校する計画を持っています。「今の若手は基礎を怠っています。歌まねをするだけではなく、ダンスもできるようになればより面白くなります」と彼は言います。
コロッケは校長として、ダンス、コメディ、演技、アクションなど、エンターテインメントの基礎をしっかりと指導する予定です。
コロッケの未来への挑戦
『ものまねグランプリ』の引退は、コロッケにとって一つの区切りではありますが、決して最終目標ではありません。彼は「私の芸はライブや舞台でしか完全に表現されない価値を持つことが重要だ」と述べています。
彼は今後もライブや舞台を中心に活動を続け、YouTubeや海外市場への進出にも積極的です。また、「コロッケ2世」を育て、日本のエンターテインメント業界を活気づけていくことを目指しています。
ものまねのレジェンドであるコロッケの挑戦は、これからも続きます。
コロッケ スーパー・アコースティック ものまねライブ [ コロッケ ]